DV(Domestic violence)について

DVの本質・パワーとコントロール(力と支配)

  • 身体的暴力・・・殴る、蹴る、引きずりまわす、物を投げつける等
  • 心理的暴力・・・大声で怒鳴る、罵る、脅す等
  • 性的暴力・・・・性行為を強要する、避妊に協力しない等
  • 経済的暴力・・・生活費を渡さない、働きに行かせない等
  • 社会的暴力・・・女性の行動の制限、友人に会わせない等

DVのサイクル

DV(ドメスティックバイオレンス)には一定のサイクルがあります。
蓄積期、爆発期、安定期(ハネムーン期)の三つの構成期間を循環していきます。

その循環も徐々に早くなりエスカレートし ていくようになります。
それぞれの期間の長さや傾向などには個人差があるようです。

蓄積期

次の爆発期に向かって内面にストレスを溜めている期間です。

男性が自分の身の回りの状況や、女性をコントロールしたい、支配下に置いておきたい、
という願望が満たされない事にたいしてストレスを溜めている時期になります。

穏やかだった安定期の後にささいな事で怒るようになったり、
ピリピリと神経質になってくる期間です。

爆発期

溜め込んだストレスの限界がくると、突然に暴力を振るい始めます。
多くは突発的なので予測する事は困難で、暴力の衝動を抑制できなくなっているので大変危険です。

女性の態度や行動、自分の身の回りの状況が自分の思い通りにならないストレスを発散している期間であり、 女性に対して様々な暴力を駆使して自分の思い通りに行動するように強要している期間です。

そして、これからも自分の思い通りにコントロールしやすいようにと恐怖心や無力感を植えつける期間でもあります。

安定期(ハネムーン期)

暴力によってストレスが発散された状態です。
比較的に安定した精神状態の為、安定期と呼ばれています。

また、ストレスが発散された事により、優しくなってプレゼントなどを買ってきたり
「二度と暴力は振るわない」と約束したり俺が悪かった」などと泣いて謝罪したりするので
ハネムーン期とも呼ばれています。

そして次の暴力に向かってストレスを溜め込んでいく蓄積期に移行していきます。

被害者の心理

好きで一緒にいることになった相手ですし、
暴力を振るい終わった後には比較的に安定し謝罪したりする事もあるので、
「立ち直って欲しい」「暴れている時が異常で本来は優しい人」と思ってしまいがちです。

アメとムチではないですが、暴力への恐怖という精神的な興奮状態と安定している時の優しさによる
精神的な安定状態が交互にやってくる事 により被害者にも精神的な依存の状態が発生しがちです。

又、次の暴力への恐怖や逃げる事の出来ない状態により、
次第に「私が耐えればいいんだ」「何をやっても無駄だ」という学習性無力感に囚われてしまい 、
暴力からの脱出をあきらめてしまう様になります。

被害者が暴力を避ける為に言いなりになっていても、 加害者はその他の事で溜まったストレスで再び爆発期には暴力を振るいはじめます。